冬のヒートショックを服薬指導するための指導せん

こちらの指導せんは薬局薬剤師が文献等の情報を基に執筆・監修しています。

指導せん

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※指導せんは4枚セットです。印刷する場合、A4用紙が適切です。

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指導せんの説明

死者数は年間15,000人

 毎年、冬期の居室間の温度差による急激な血圧変動が原因で脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすヒートショックによる死者は 15,000 人前後1)いると推定されている。参考として、令和3年の死者2)で、交通事故は3535人、新型コロナウイルス感染症は16,756人、誤嚥性肺炎は49,489人である。

トイレ

 トイレは脱衣所と違いハダカにならないので、温度差はそれほど気にする必要はないと考える。ただし、強くいきむと、全身に力が入り、血圧上昇から心臓に負担をかけるので、排便コントロールは重要だ。降圧薬を服用中の患者には、便秘をしていないか確認して、市販薬の購入または過去に処方された下剤の再処方を医師に依頼すると良い。

浴室の脱衣所

 脱衣所の室温は17度以上が良い。可能であれば、簡易の暖房器具をおきたい。また、入浴に関する注意点が3つある。① 湯温が熱すぎるとヒートショックを起こす恐れがあるので、湯温は41度以下(38〜40度)1)が推奨されている。② 湯船に首まで浸かると、心臓に負担をかけるので良くない。③ 湯船から出る時に急に立ち上がると、立ち眩みから転倒する恐れがあるので、ゆっくり立ち上がる。

ベランダ・庭など

 外に洗濯物を干すなどの理由で、外に出るときは、部屋着のまま出てはいけない。寒い地域では外気温が0度以下になることがあるため、温度差が20度を超える恐れがある。特に、室温を半袖で過ごせるような暖かい温度にしている時は注意が必要だ。少しだけなら大丈夫という一瞬の判断がヒートショックを起こす恐れがある。

参考文献

1)居住者視点によるヒートショック対策の検討:日生気誌 53(1)2016

2)令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況:厚生労働省

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