糖尿病の低血糖を服薬指導するための指導せん

こちらの指導せんは薬局薬剤師が文献等の情報を基に執筆・監修しています。

指導せん

※画像をクリックすると拡大表示します。

※指導せんは4枚セットです。印刷する場合、A4用紙が適切です。

お渡し用QRコード

指導せんの説明

低血糖の検査値(血糖値)

 低血糖の重症度はCTCAE(有害事象共通用語規準)を用いて評価すると良い。数値に応じた重症度は以下の表を参考にする。

 軽度低血糖中等度低血糖高度低血糖
血糖値 (mg/dL)73 – 5555 – 4040 >
薬歴・服薬指導計画例1

P:血糖自己測定ができる場合、血糖値が73以下になると低血糖となるので、ブドウ糖などの糖分を摂取すると説明。

N :低血糖の有無。

低血糖の症状・起こりやすい時間・行動

 血糖値が60〜70mg/dL未満になると、「冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い」といった初期症状がでる恐れがある。

 血糖値が50mg/dL未満になると、「ぼんやりする、ボーッとしている、うとうとしている、いつもと人柄の違ったような異常な行動をとる、わけのわからないことを言う、ろれつが回らない、目の前が真っ暗になって倒れそうになる、意識がなくなる、けいれんを起こす」といった末期症状がでて、危険な状態になる恐れがある。

 低血糖は、食前が最も起こりやすく、仕事・出先などで食事が遅れたときは注意が必要だ。他に、激しい運動・入浴後・多量のアルコール摂取なども低血糖のリスク因子となる。

薬歴・服薬指導計画例2

P:不規則な食事・飲酒・運動中・入浴後などで低血糖が起こりやすくなると説明。

N :低血糖:食事時間が不規則でないか確認。

低血糖の対処方法

 糖質が入ったアメなどを常に持ち歩いておく。ただし、αグルコシダーゼ阻害薬を服用中の場合、必ずブドウ糖で対処する必要がある。1回5~20gのブドウ糖を摂取し、15分経っても改善しない場合、さらに1回分を摂取する。それでもダメなら救急車を呼ぶべきである。

薬歴・服薬指導計画例3

P:低血糖時は、なるべくブドウ糖で対応し、常に携帯しておくと説明。

N :ブドウ糖:携帯の有無。

参考文献

共用基準範囲対応CTCAE v5.0 Grade定義表より改変して引用

重篤副作用疾患別対応マニュアル「低血糖」平成30年6月改定:厚生労働省より引用

追記情報

特になし

皆様のご意見箱

処方鑑査ツールや指導せんに関するご意見・ご指摘等は下記のフォームよりお願い致します。

なお返信はしませんので、ご了承ください。様々なご意見をお待ちしております。

    必須指摘箇所

    必須  内容